フランス伝統菓子『サヴァラン』の想い出!!

パティシエ トーク

私が1番好きなフランス菓子で、パティスリー時代の思い出沢山の『サヴァラン』についてお話ししたいと思います。

まず、『サヴァラン』って何??

フランス伝統菓子サヴァラン

18世紀中頃に、ナンシーに宮廷を構えていたロレーヌ公スタニスワフー世の料理人が、クグロフにラム酒をかけたデザートをつくり、ロレーヌ公が愛読書「千夜一夜物語」の主人公にちなんで、アリババと名づけたと言われる。
19世紀はじめに、パリの菓子店Stohrer(ストレール)でババ·オ·ロム (ラム酒風味のババ) の名前で売り出されて広まり、さらにその店で修業した菓子職人、オーギュスト · ジュリアンが形をかえ、美食家のブリヤ· サヴァランの名をとって、サヴァランと名づけた。
一般にバパの生地には、レーズンを加え、ダリヨル型で焼くのに対して、サヴァランはレーズンを入れずにサヴァラン型で焼く。また、伝統的にババのシロップにはラム酒を使い、サヴァラン用には、好みに応じていろいろな酒を使う。

こちらは、私が卒業した専門学校
エコール辻大阪 製菓マスターカレッジ
の教科書から引用…

簡単にイメージしやすいように作り方を説明すると

1.発酵生地を仕込む。
2.サヴァラン型(リング型、蛇の目型とも言う)に絞って乾燥させながら焼く。

3.シロップに焼いた生地をつけて 染み込ませ大きくする。
4.お酒をたっぷり打つ。
5.アプリコットジャムを塗る
6.くぼみにカスタードクリームをちょこんと絞る
7.シャンティイクリーム(生クリーム)をその上に絞る

8.フルーツなどを飾る

という感じの生菓子です。

専門学校で初めて食べたサヴァランとババ

 
専門学校で『発酵生地を使ったお菓子』の講習がありました。
その時初めて サヴァランとババを食べました。
今まで地元のケーキ屋さんでもそんなお菓子を見た事がなかったので、作っている所を見るのもなかなかの衝撃だったのを覚えています。
!!!こんなケーキあるんだ…
シロップにぷかぷかとパンみたいな生地を漬けて、大きくなった物に
これでもか!!!
とお酒を刷毛でうつ。
学校で食べたサヴァランは初めてだったという事もあったのか、それ程美味しくは感じられませんでした。。。
めっちゃお酒!って感じじゃん!!
きつッ!!!そんな印象。
アプリコットジャムと発酵生地の組み合わせもなんか昔っぽい味〜ってイメージでした。

サヴァランのイメージを変えてくれた『サヴァラン』

あまりサヴァランというケーキに惹かれる事がなく、専門学校時代も食べ歩きでサヴァランを選ぶ事はあまり無かったのですが…

就職先のパティスリーで運命のサヴァランと出会ったのです。

フランス人シェフの作るサヴァランは
とにかくラム酒たっぷりでした!!!
専門学校の授業で食べたものより遥かに多い量のお酒‼︎
それでも、全体のバランスが良く
とっても美味しかったです。
ジュワーーっと口の中で広がるラム酒と、バニラのシロップ!!
どこかミルキーな感じのするサヴァラン生地。
甘酸っぱいアプリコットジャム!
甘くコクがしっかりあるカスタードクリーム。

なんて美味しいんだ!!!
とその時 感じました。

自分の働くお店で何のケーキが1番好き?
と聞かれたら、いつも『サヴァラン』と答えていました。

『今でしょ!』で、有名なあの先生もお気に入り!

テレビに引っ張りだこな『今でしょ!』の先生!!!
当時はそのお客様があの先生だなんて、
そんな事全然知りませんでした。

お店のサヴァランを気に入ってくださり、いつも沢山ケーキを買ってくれる方…
そんな風に覚えていました。

ある日、雨が降っている中、先生は沢山のケーキを買って下さいました。
傘をさして沢山のケーキを運ぶのは大変でしょう…
という事で、駅まで一緒に運ばせていただきました。
とても気さくに話してくださいました。
その時の私は、このお店のケーキを好きと言ってくれるお客様と沢山出会えて幸せだな〜と感じていました。
『美味しい』の一言を直接貰えるとパティシエの頑張る力になります。
今日も早起きして頑張った甲斐がありました!
なんて、思っていました。

ケーキ屋さんで働いていた時には、お客様との距離も近くて
沢山のお客様と関わらせていただきました。
今でもあの方 元気かな〜?
誕生日ケーキを毎年買ってくれていたあの子…大きくなったろうな〜
などと、時々思い出しては懐かしい気持ちになります。
ケーキを作る事で、少しだけ お客様の人生に関わる事が出来たような気がしていました。
…今もそんな風に思っています。

大好きだったサヴァランに似ている味を東京でも発見!!!

そんな大好きなお店…でしたが、
残念ながら2016年に閉店してしまいました。
帰るお店が無くなってしまい、心にぽっかりと穴が空いた気持ちでした。。。

それから、色んなお店でサヴァランを食べてみましたが…やっぱりあのサヴァランとは違う。

それから、、、数年後!
なんとも懐かしいサヴァランを見つけてしまったのです!!

パティスリーではなく、レストランで!!

東京 銀座にある
サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ

こちらのサヴァラン‼︎
おそらく私が働いていたお店とサヴァラン生地の作り方が似ている…と言うか、配合が似ている感じがしました。
とても懐かしい‼️
思わず写真を撮るのも忘れて食べてしまったのです。
写真が貼れなくて残念…
また、訪れる時には写真を撮らせてもらおう!笑

大好きな思い出の『サヴァラン』
あの頃の気持ちを思い出したくなったら、サラマンジェに行こう!そう決めました!笑

ラム酒たっぷり、とろっと生クリームの乗ったサヴァラン!
是非、味わってみてください。

サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目2−8 ビル地下1階 高谷銀座ビル
03-6280-6481

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